篠田信子の新森のテラスから

富良野の森に住み、自然や文化への想いをつれづれに

奇跡の教室

富良野は今日も雪・・・届いた本を読っと・・。
あの神戸の名門校、私立灘校(中高一貫)の橋本武先生が繰り広げたユニークな授業風景を取り上げた本「奇跡の教室」を一気に読んだ。

いや〜いるんですね、こんな先生が・・・。現在御年98歳、今でもすべて身の回りのこと(食事、洗濯など)は自分でしているとのこと。世の男性諸君・・やってますか〜(笑)。
その授業とは・・・
中学の3年間の国語の教材は、中勘助作「銀の匙」の文庫本一冊のみ!この学校は6年間一人の先生が科目を受け持つようだ。
さらに学校側も、担当教員の指導方法には一切関知しない(信頼関係)という。
3年間で一冊ですよ・・・・あの進学校で・・・信じられない。初めは公立より下に見られた私立学校を、東大進学数第一位にまでした奇跡の物語。
銀の匙」一冊で通そうとし決意した高橋先生(通称エチ先生)は、ひそかに結果が出なければ「責任を取る」と腹を決めたらしい。先生の言う「結果」は東大合格数ではない。
そう、最近責任取らない人が多いんだよな〜(独り言)。
なので、エチ先生の授業に対する努力(見えないところで)は並大抵ではない。
本を読みながら、どんどん横道にそれる。生徒の興味によってあらゆる方向へそれる・・・そこからみんなで考える。それる方向は、世界、古典、音楽、天文、物理・・・それればそれるほど、エチ先生は嬉しい。
モットーは、ゆっくり「学ぶ力」「生きる力」を学ぶ。そのためには生徒には「あえて遠回りする」「気づかせる」「興味を持たせる」のだそうだ。
早く役立つものは、早く役立たなくなる、受験の詰め込みのように・・・(全く同感!付け焼刃の知識はすべて忘れています。)
国語の力がつくと、自然に全科の成績が上がって行ったようだ。生徒を信じて「待つ」。
もう、ガッテン!ガッテン!・・・だ。
そうそうたる卒業生を輩出している灘校→東大卒の方々で、エチ先生に受け持たれた生徒は「銀の匙」1代目、2代目・・・と呼び誇りを持っているようだ。
退職した現在でも、もし又授業をするとしたら・・・と研究ノートを作成しているらしい。
あっぱれ(^。^)y-.。o○