篠田信子の新森のテラスから

富良野の森に住み、自然や文化への想いをつれづれに

久しぶりの麓郷街道を行く

所用あり麓郷へ行って来た。最近は八幡丘経由で行く事が多かったが、麓郷街道通ることにした。
車で走りながら、ふーっと初めてここを走った事を思い出した。
30年も前、富良野に転勤して来て「美味しいそば屋さんがある・・」と夫に連れてきてもらった時だ。市街地から国道を走り麓郷へ・・・・。途中から砂利道になり、どんどん山の中に入っていくので不安になり「本当にお蕎麦屋さんあるの?」と何度も聞いた。
北の国から」のドラマがまだ始まっていない頃で、行きかう車は1台もなく寂しい山道。
走る事25分ほどで視界が開け1軒の宿泊所兼お蕎麦屋さんがあった。それが後にブームになる「小野田そば」だった。100%そば粉の太く、黒いワイルドなお蕎麦だった。ざる蕎麦を食べた・・・美味しかった・・・以後、小野田のおばちゃんがつくるお蕎麦のファンになりかなり通った。もともとは、林業の作業者の宿兼食堂だったらしい。
私の父も蕎麦が好きで、亡くなる数ヶ月前の秋、食欲もあまりなくなった頃に「麓郷の蕎麦が食べたい・・・」と言ったので出かけた。父の体調を考え、おばちゃんは2階に通してくれた。
出来た蕎麦を満足そうに食べた・・・・少量だったが嬉しそうだった。
帰り道、麓郷街道の紅葉が見事で、車の乗り降りも大変だった父が「降りて写真を撮りろう・・・」と父は言った。思えばスーツ姿で撮った最後だった(父はどこへ行くにもスーツを着る人)。今でもあの時の紅葉は目に焼き付いている。
父は次の春に亡くなった・・・・小野田のおばちゃんも今はいない。
その後富良野塾の関係で麓郷や布礼別に通いつめるとは想像もつかなかったなぁ〜〜〜。
今回通った時は、まだ紅葉にはなっていないが静かな光景だった。

麓郷のスーパー藤林商店は、魚も野菜も新鮮で安いと評判のお店。野菜と果物をたくさん買って帰宅した。なんだかとってもほかほかした気分だった・・・。
・・・・と考えると、富良野に来てもう30年以上?人生の半分以上を過ごしてるんだ・・・あ〜早いなぁ〜〜。