篠田信子の新森のテラスから

富良野の森に住み、自然や文化への想いをつれづれに

松本で歌舞伎を堪能!

7日〜9日2泊3日で松本市(長野県)へ行って来た。ここは富良野にも縁のある演出家・役者の串田和美さんが館長をしている松本市民芸術館があり、ここで信州まつもと大歌舞伎の公演が行われているのだ。
新宿から特急あずさで松本駅に降り立つと、歌舞伎の旗がずら〜っとはためき歓迎ムード一色だった。

ホテル、沿道、商店街にもすべてに歌舞伎のノボリが立っていた。どこへ行っても「歌舞伎ですか?」と聞かれる。
何年か前、視察で訪れたアメリカのシェークスピア演劇祭で街中が演劇一色になり大賑わいしていたのを思い出した・・・・富良野もいつかは・・・。
串田さんが、館長を引き受けた時は大きな逆風の中で「帰れコール」さながらだったと言う。その後並々ならぬ努力と手腕で劇場を市民に受け入れてもらう策を講じ、現在の形になったようだ。
串田さんのお勧めでもあり、一度泊まってみたかった老舗ホテル「松本ホテル花月」へチェックイン。ここは松本家具で統一された調度品や、ホテルマンのサービスが行きとどき、とても気持ちの良いホテルだった。細やかに心配りされ観光地としてのサービスを学んだ。なんたって新鮮な素材を使ったお料理が美味しい!
馬刺しに舌舐めずりの夫と娘でありました。

家族三人で行ったので、早速散策に出かけた。何度か行って大好きになった仲町通りやナワテ通りを歩き、カラス城とも言われる黒い松本城へ。
ここで「ねむの木」を発見。ピンクの花がふわふわと風になびいて、初めて見る木にみんなで歓声を上げた。つい「ねんねんねむの木・・・・♪」と口から出た。娘は「あっ、その歌昔お母さんから聞いたことある・・・」と。



串田さん演出による歌舞伎「平成中村座」は毎年東京でコクーン歌舞伎として開催されているが、最近は浅草の浅草寺境内や名古屋城公園内など歌舞伎小屋を建てて行ったり、ニューヨークやヨーロッパ公演でも大好評を博している。この秋には大阪城公園内で予定している。
出演は、中村勘三郎中村橋之助中村扇雀中村七之助笹野高史・・・・などが常連。今回の演目は「佐倉義民伝」地味な演目だが、お上の傲慢さと農民の底力を柱に胸にじ〜んと来る素晴らしい人情いや社会派芝居、三味線でラップ調の音楽やシンプルだが美術の斬新さで大喝采をあびていた!
賑やかな劇場入り口。今回の松本は、7日間で11公演(劇場は1500席)、チケットは即日完売とか。私達は千秋楽を観る事が出来て・・・あ〜〜〜幸せ!娘ははじめて歌舞伎を観て感激していた。
終演後串田さんと
帰り際には、ホテルの方から飾ってあったノボリとポスターを記念に頂き、粋な計らいに感謝した!

串田和美さんは、富良野演劇工場には何度も見来ていて、緒方拳さんと「ゴドーを待ちながら」や松たか子さんの「コーカサスの白墨の輪」等を演出し、自らも出演した。大好評だったこれらの芝居は富良野演劇工場の史上に残る誇り高い演目だと思っている。
来月8月9日には「破れ傘長庵」の公演で串田さんが久しぶりに富良野に来る。江戸操り人形と串田さんの芝居はとってもとっても楽しみだ。

夫も体調を回復して来て、あちこちお芝居見物に出かけられるようになりうれしい限り。仕事復帰も間近!今まで仕事が超忙しくてなかなか出かけられなかったので、復帰までのリハビリだものね・・・。
「芸術文化は、生きてゆくために必要なもの・・・」と言う平田オリザさんの言葉が物語る・・・。いいものを聴いたり観たりすると、元気が出て又頑張ろう・・・と思うものね・・・心の栄養剤なんだ。