篠田信子の新森のテラスから

富良野の森に住み、自然や文化への想いをつれづれに

5・11 文化は遊び?贅沢?いいえ・・・

文化活動を始めたころ「ゆとりのある人がする事、文化より福祉だ・・・」という言葉をよく聞いた。特に演劇は教科になく(音楽や美術はある)、学校ではなかなか受け入れられなかった。
10年前平田オリザ氏(劇作家・教授・劇団主宰)との出逢いで大きな勇気をいただいた。「芸術文化は、生きてゆく上で必要なものである」と静かに話された。社会が疲弊した時、人が元気をなくした時、心にゆとりが必要になった時、人間関係を円滑にするため、自分の意思を伝える・・・こんな時、文化が力を貸してくれる・・・と。
平田氏は、あれから毎年富良野で子供たちや我々の指導に当たってくれた。地道に地道に伝えてゆく努力が必要な事も・・・。
今や、人とかかわりを持つ職業である教師や医師になろうとする大学で、コミニュケーション技術を学ぶために演劇を取り入れるようになった。これも平田氏の努力が非常に大きいい。
富良野では、NPOが活動し、企業が見返りを求めず資金を提供する「メセナ」が立ち上がり、学校が芸術文化の企画を受け入れ、市民も芸術性の高い文化に触れる事が出来る。
富良野の道立高校に「演劇科設立」と言う話も出ている。実現すると実にうれしい事だ。