篠田信子の新森のテラスから

富良野の森に住み、自然や文化への想いをつれづれに

家庭医

現在、北海道新聞に「医 挑む」が連載され興味深く読んでいる。
道内の小さな町が医療過疎に悩み、新たなスタートを切ったのが「家庭医」としての診療所だ。
そこに若い医者が地域医療に情熱を燃やし赴任した。科を問わずすべてを診なければならない医師の戸惑いはさぞ大きかったと想像する。
赴任してすぐに担ぎ込まれた、喘息の子供に対して医療器具不足もさることながら、自らの技術を磨くための試練であったと書いてあった。
患者としては、何かあったら、とにかく大きな病院へ行くと安心・・・という心理はあるが、それが大病院の混雑と必要な患者へ必要な医療が遅くなる、いやできなくなることもあろう。
この若き医師(所長)は7年前に赴任し現在34歳。研修医と共に地域に寄り添い、患者と共に家族の様子も見守っている。
一昔前は、どこの町にもこのような光景は当たり前だったが、現在はなかなか見当たらない。医療は手間をかけずに、収入になる道を選んでしまったのだろうか。
これは、医師だけの問題ではなく国の政策に大きく左右される。
自分のかかりつけ医を持って、上手に病院にかかるのも患者の心得の一つだと思う。さらに先進医療が必要なときには、紹介されて大病院へ行く。
この若き医者の妻(医者)は、この町で2人の子供を産み子育て、医療をしながら「私は、この地域を良くしようと思っているのではなく、自分が住んで良かったと思う町にしたい。」と言っている。
まさしく「まちづくり」の原点だと拍手を送りたい。
現在「家庭医」を育てる機関も出来ていると聞く、ぜひ医師を希望する人は地域医療にも関心を向けてほしい。